ゼネコンの意味とは?仕事内容や役立つ資格を紹介 | 土木・建築の仕事との出会いを提供するメディア - アイゾメ
ノウハウ
作成日:2022.09.06

ゼネコンの意味とは?仕事内容や役立つ資格を紹介

ゼネコンとは?

ゼネコンの正式名称であるゼネラルコントラクターは、「General=全体的な」と「Contractor=請負人、土建業者」を組み合わせた言葉です。ゼネコンの一番大きな特徴は、「設計」「施工」「研究開発」をすべて自社で行っていることです。会社の規模も大きく、売上高が1,000億円以上あればゼネコンと呼ばれることが多いようです。

ゼネコンが得意とするのは、多数の下請業者が関わる規模の大きな建築物です。工事全体のマネジメント役として、高層マンションやオフィスビルといった大型施設の建築工事、道路・橋など公共性の高い建造物の土木工事を手掛けています。

「ハウスメーカー」「サブコン」「工務店」との違いは?

建設に関わる企業としてよく耳にする「サブコン」「ハウスメーカー」「工務店」は、ゼネコンとどう違うのでしょうか。

サブコンは「サブコントラクター」の略称で、ゼネコンの下請け先として実際の工事を行う専門工事業者です。電気工事や空調工事を行う企業、大工やとび職を抱える企業などがサブコンに分類され、それぞれゼネコンから振り分けられた作業を行っています。

ハウスメーカーは、個人向け住宅の建設・販売を行う会社です。戸建て住宅のほかアパートやマンションも取り扱いますが、その間取りやサイズは規格化されていることが一般的です。「〇〇ホーム」「△△ハウス」といった企業名であれば、ハウスメーカーと考えて良いでしょう。

工務店は、ハウスメーカーと同様に個人向け住宅の建設を行う企業です。より地域に根ざした営業をしていること、施工方法やデザインの自由度が高いことが特徴です。また、ハウスメーカーが販売する建物を実際に施工するのが工務店、といったケースも多くあります。

ゼネコンにはランクがある!

ゼネコンは、その売上高によって大きく3つのランクに分けられます。

・スーパーゼネコン 単体の売上高が1兆円前後の規模を誇るゼネコンは「スーパーゼネコン」と呼ばれるケースが多く、売上高だけでなく、資本金や従業員数も他のゼネコンを大きく上回ります。スーパーゼネコンは、手掛ける施設も超大型です。現在、スーパーゼネコンと呼ばれる企業は日本に5社しかないようです。
・準大手ゼネコン スーパーゼネコンに次ぐ規模を誇るのが「準大手ゼネコン」で、その売上高は3,000〜4,000億円以上と言われています。スーパーゼネコンほどではありませんが知名度や平均年収も高く、高層マンションやダム、発電所などの大型施設を手掛けています。
・中堅ゼネコン 売上高が1,000億円前後のゼネコンは「中堅ゼネコン」と呼ばれることが一般的です。地域密着型の企業が多く、小回りが効くのが一番の特徴と言えるでしょう。

ゼネコンの職種

設計・施工・研究の3つの機能を備えているのがゼネコンの特徴ですが、具体的にはどのような職種があるのでしょうか。ここでは、代表的な5つについてご紹介します。

1.営業

企業や官公庁、公共団体といった取引先と最前線でやり取りをするのが営業部門の仕事です。取引先だけでなく社内のさまざまな部門と関わる必要があるため、コミュニケーションスキルが求められる職種です。また、建設用地を確保して企画を提案する「ディベロッパー(開発事業者)」のような仕事が求められることもあります。巨額の工事費が動くプロジェクトを受注したときに得られる達成感は、営業部門ならではの魅力です。

2.設計

取引先のニーズを汲み取り、建築物の図面や模型を制作するのが設計部門の仕事です。外観・内装のデザインや間取りを設計する「意匠設計」、耐震性などを考慮しながら建造物の骨組みを設計する「構造設計」、空調や電気など専門設備を設計する「設備設計」の3つに分かれており、それぞれを担当する設計者が協力して1つの図面を完成させているのです。

設計部門で活躍するためには、建築士の資格やCADシステムのスキルなどの専門知識を持っているかどうかがポイントです。自分が設計したものが実際の建造物として完成するのは、この職種の醍醐味と言えるでしょう。

3.施工管理

サブコンなどの業者を取りまとめ、実際の施工を管理しながら進めていくのが施工管理部門の仕事です。工事の安全性、品質、原価、工程をそれぞれ管理しながら、施工計画通り進んでいるかをチェックしていきます。

4.研究開発

高品質な建造物を低コストで作るため、新たな建築工法や資材を開発するのが研究開発部門の役割です。昨今では、作業日数を短縮できる技術の開発が特に求められているようです。業界で競合優位性を確立するためには「独自の技術」が不可欠。研究開発に力を入れているゼネコンも多く、企業の技術発展を支える重要な仕事です。

5.エンジニアリング

食品や化学製品、医薬品といったさまざまな生産施設や再生可能エネルギー施設などを対象に、建物・建築設備・生産設備を一体とした全体最適な施設を実現するのがエンジニアリングの仕事です。建築だけでなく機械や化学、ITなどの専門知識を持つ方におすすめの職種と言えるでしょう。

ゼネコンで役立つ資格

総合建設業者であるゼネコンの仕事は幅広く、求められる資格もさまざまです。ここでは、ゼネコンで働くのに役立つ資格を5つご紹介します。

1.一級建築士

建築物の設計と工事監理をするための国家資格が一級建築士です。建築士の資格には「一級」「二級」「木造」の3種類がありますが、一級建築士を取得するとすべての建物を取り扱うことができるようになるため、大型建築物を得意とするゼネコンで働くには重要な資格と言えます。

2.1級建築施工管理技士

建築現場の施工管理者として活躍したいなら、一級建築施工管理技士の資格がおすすめです。1級の資格を取得すると、建築物の規模に関係なく工事の施工計画作成や施工管理などを行うことができます。特定建設業の施工管理のスペシャリストとして認められるためには取得しておきたい国家資格です。

3.建築設備士

建築整備士は、建築士に対して給排水設備や空調設備などの設計や工事管理に対するアドバイスをするための資格です。また、建設現場では設備工事の管理や指導も担当します。建設業界では非常に重要視されている資格です。

4.免震部建築施工管理技術者

建築物の免震性能を適切に確保し、建築後も十分な免震機能を発揮できるよう管理指導するための資格が免震部建築施工管理技術者です。免震工事の施工計画書を立案したり、免震部材の品質管理をしたりできるようになります。

5.建設業経理士

建設業界で必要な経理や財務に関わる資格が建設業経理士です。簿記の代表的な資格である日商簿記の試験と出題範囲が似ていますが、会計処理の特殊な建設業界により特化した内容となっています。1〜4級に分かれており、実践的な実務の知識が求められ、公共入札時の加点対象にもなる2級以上を取得していればキャリアアップに有利と言えるでしょう。

まとめ

ゼネコンは、大型で公共性の高い建築物を幅広く手掛けています。自分が建設に関わった建物が人々の役に立っているのを感じられることは、ゼネコンで働く大きなやりがいと言えるでしょう。

また、平均年収も高水準のため、転職先として非常に人気があります。ぜひ自分に合った企業を探してみてください。

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