防水工事とは?仕事内容を紹介 | 土木・建築の仕事との出会いを提供するメディア - アイゾメ
ノウハウ
作成日:2022.01.31

防水工事とは?仕事内容を紹介

防水工事とは

防水工事とは、雪や雨水が建物内部に入り込むことを防ぐ工事です。具体的には建物の屋根や屋上、外壁、バルコニーなど雨風と触れる部分と、浴室やトイレなど屋内にも防水処理を施します。

防水工事防水工事の役割

防水工事の役割は主に3つです。

1.腐食を防ぎ、建物の耐久性や強度を高める
防水工事によって雨水が建物内に侵入するのを防げるため、建物の強度を保てます。
雨水が建物内に入り込んでしまうと、木造の場合、柱や梁が腐ります。コンクリート製の場合、コンクリートを固めるセメントペーストが少しずつ溶解し、骨材という砂利が露出してしまいます。
漏水による腐食は、建物の耐久性を著しく低下させる原因になりかねないのです。最悪の場合、倒壊の危険性も高まります。
建物の強度を保ち、水による劣化を防ぐためにも、防水工事の果たす役割は重要です。
2.建物の美しさを保つ
雨水にさらされることで、建物内外にシミや変色が発生し、見た目の美しさを損なうことがあります。防水工事を行なうと雨水による経年劣化が防げるため、建物全体を美しく保てるのです。
3.カビを防ぎ、快適な暮らしを維持する
防水が不十分で漏水していると、その周辺でカビが発生し、喘息などのアレルギー症状や鼻炎を引き起こす可能性があります。このように、防水工事は日々の快適な暮らしを維持するためにも欠かせません。

防水工事の種類

防水工事の種類は主に4つで、工事を施す部分や目的に応じて変わります。それぞれの工事方法や施工箇所を紹介します。

1.ウレタン防水 防水材を施工箇所に塗装し、厚みをつくり防水する方法です。防水材は液体状なので、工事箇所が複雑な形状でも対応できます。
主な施工箇所は、一戸建てのベランダ、バルコニー、陸屋根、屋上、雨漏りしている箇所です。
2.FRP防水 ガラス繊維でできているマットを施工箇所に敷き、上からポリエステル樹脂を塗装して防水する方法です。速乾性があり、熱や薬品、負荷で傷みにくい頑丈さが特徴です。
主な施工箇所はマンション・アパートの屋上、ベランダ、一戸建ての屋上です。
3.シート防水 塩化ビニールやゴムでできたシートを、接着剤や専用の機械で固定して防水する方法です。防水材を乾かす時間がかからないうえに、一気に広い面積を工事できるので、工事時間の短縮につながります。
主な施工箇所はビルや商業施設の屋上等、マンション・アパートの共用部分です。
4.アスファルト防水 アスファルトを紙や合成繊維不織布にコーティングした「ルーフィング」と呼ばれる防水材を、施工箇所に貼り重ねて防水する方法です。水だけでなく紫外線にも強く、建物の上から人や車が通れるほどの強度があるのが特徴です。
主な施工箇所は、ビルやマンション等の大規模建築です。

防水工事の仕事の流れ

防水工事を行う際は一体どのような手順で行なっていくのでしょうか。仕事の流れをご紹介します。

洗浄 まず防水工事を施す下地部分の洗浄をします。洗浄前の下地には砂やほこりなどが付着していることが多く、そのまま防水工事を施すと防水材が剥がれる原因になりかねません。念入りな洗浄が重要です。
下地処理 施工箇所のコンクリートのひび割れや、凹凸などが発生している部分を補修します。防水効果を高めるために非常に重要な工程となります。
下塗り 下地と防水材の密着度を高めるために、プライマーという糊のような役割を果たす塗料を塗ります。
防水材塗布 防水工事の種類により、防水材と工程が異なります。ウレタン防水の場合、液状の防水材を塗装します。FRP防水、シート防水、アスファルト防水の場合はそれぞれのシートを敷きます。
トップコート 最後に防水材の剥がれ防止、摩擦や汚れから保護するためにトップコートを塗って仕上げを行ないます。

防水工の給料、働く環境をチェック

次に、防水工の給料や仕事環境について説明します。

防水工の平均日給は10,860円です(※)。
(※)集計期間2021年6月〜2021年11月<マイナビバイト調べ>

防水工の一日は、朝8時15分ごろに会社で朝礼を行なうところから始まります。その後、現場へ移動し作業を開始します。

昼休憩と、午前と午後の30分程度の小休憩を取りつつ作業を進め、18時ごろに作業を引き上げます。

帰社し、その日の報告書を記入して一日の仕事を終えます。

防水工になるには

防水工になるためには、防水工事会社に就職し、見習いとしてスタートして現場で専門知識や技術を身につけていくのが一般的です。

一人前の防水工になり、キャリアアップしたいと考えている方には防水施工技能士の資格がおすすめです。国家資格であり、取得しているとより良い環境で活躍できるでしょう。
防水工事は防水手法ごとに多くの作業に分かれているため、防水施工技能士の試験も約10個の科目の中からいずれか1つを選択して受験します。試験ごとに実施される科目が異なるので、受験する際には自分の受けたい科目があるか確認が必要です。

防水工の将来性は?

日本では地震や台風が多いため、災害によってヒビや塗料が剥がれるなどの劣化が起きやすく、防水工事が発生しやすいといえます。また、防水工事を行なうことで建物の老朽化を防げるため、建物の寿命を伸ばすのにも繋がります。

建物のメンテナンスは、快適で安全な暮らしを保ち、建物の寿命を伸ばすために何度も行なう必要があり、一回きりで終了することはほとんどありません。

これらの点から、建物が存在するところには防水工事の需要は常にあり、防水工の仕事は将来的にも安定している可能性が高いことがわかります。

防水工に向いている人

防水工事は多くの工程や細かい作業があり、とても神経を使う仕事です。細かい作業が得意な人や集中力がある人は作業が苦にならず、やりがいを感じられるでしょう。

また、防水工は未経験者でも見習いとして始められるので、意欲を持って日々の業務をこつこつとこなせる人は一人前の職人になれるでしょう。

まとめ

防水工事は建物の強度を保つために常に必要な工事で、需要とやりがいを兼ね備えた仕事です。
工事方法や作業は多いですが、その分工事を終えた際には大きな達成感を得られるでしょう。

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