とび職とは?仕事内容を紹介 | 土木・建築の仕事との出会いを提供するメディア - アイゾメ
ノウハウ
作成日:2021.06.21 更新日:2022/04/19

とび職とは?仕事内容を紹介

とび職の種類

作業内容によっていろいろな種類があるのもとび職の特徴。
たとえば、鉄パイプなどを使って足場を設置する「足場とび」や、鉄骨などをクレーンで吊り上げ高いところで組み立てを行う「鉄骨とび」。「重量とび」という建物の中に大型機械などの重量物を設置する、より高い技術と知識が求められる仕事もあります。

ひとことで高所作業といっても、さまざまな種類があり、その中から好きな仕事を選べるのもとび職の特徴です。

足場とびとは、高所作業が必要な建設現場で足場を組み立てる職人です。足場は、建物を建設する際や外壁の修復、塗装時など既存の建物に使用されるほか、イベントステージなどの設置にも必要となるため、幅広い活躍の場があります。

一般的な足場の幅は、250〜500mmほど。職人たちは、この足場を頼りに高所作業をしていきます。職人たちが安心して作業ができる環境を整えるため、足場とびは欠かせない存在なのです。

足場とびの主な仕事内容は、足場の設計、組み立て作業、解体作業に分けられます。足場の設計では、「くさび式足場」「枠組み足場」「単管足場」といったさまざまな種類の中から現場に適したものを選び、建設図面や現場の状態を確認しながら適切な足場を組み立てていきます。工事の完了後は、後工程に影響を与えないよう速やかに足場を解体します。

ビルやマンションのほか、一軒家や公共設備など建物の建設には足場が不可欠です。また、足場は新築工事だけでなくメンテナンスやリフォームでも使われるため、足場とびは需要の高い職種といえるでしょう。

鉄骨とびとは、鉄骨の扱いを専門とする職人で、特に超高層ビルを建設する際には欠かせない存在です。その仕事内容は、地上で鉄骨にワイヤーをかけてクレーンで高所まで持ち上げる「下まわり」と、クレーンで上げられた鉄骨を取り付ける「取り付け」の2つに大きく分類されます。

下まわりの作業で重要なのが、クレーンのフックに鉄骨を掛けたり外したりする「玉掛け」です。鉄骨の形や長さに合わせて吊り方を調整したり、鉄骨の重さや重心によって吊り具に掛ける位置を考えたりと、細心の注意が必要なのが下まわり班の仕事です。

下まわり班によって上げられた鉄骨は、取り付け班によって受け取られ、柱同士をつなぐ梁として治められていきます。取り付け班が作業するのは風の強い高所です。風に煽られる鉄骨を正確に取り付けるため、高い知識や経験、技術が求められる仕事です。

重量とびとは、大型機械など重量物の運搬や据付、解体を行なう職人です。工作機械やプレス機などの工場機械、ビルの屋上に設置する大型の空調設備のほか、MRIといった医療機器など運ぶものによってその重さはさまざま。高度な技術が求められる専門性の高い仕事です。

スムーズに工事を行なうためにまず重要なのは、工事計画の作成です。重量物の重さや搬入する場所に合わせて、重量物を乗せた専用車両をどこに停車させるか、どこに何トンのチェーンブロックを掛けるか、何ミリのワイヤーを使用するかなどを事前に決めていきます。

次に、何トンもある重量物を実際に搬入し図面通りに据付を行ないます。少しでも据え付ける場所がずれてしまうと、後々の機械の故障につながる場合もあるため、ミリ単位の調整が求められる繊細な作業です。また、老朽化した重量物の解体や撤去、レイアウト変更の際の移設なども重量とびの仕事です。

このように、ひとことで「とび職」といってもさまざまな種類があるのです。

とび職はどんな仕事?

とび職とは、建設現場で働く作業員のうち高いところでの作業を担当する、専門性の高い技能職です。江戸時代から続く伝統ある職業で、高所を自由自在に動きまわることから「現場の華」とも呼ばれています。建設業界では昔から「現場はとびに始まり、とびに終わる」と言われる重要な役どころです。

とび職人は、最初に現場に入り仮囲いを組み、鉄骨を建て、外装・内装を仕上げるための安全な足場を組み立てます。危険な高所に最初に乗り込み、他の職人が安全に工事を進められる作業場所をつくるのもとび職人の仕事。

とび職人が足場や鉄骨、重機を適切に設置することで、他の職人が現場に入れるようになり、工事を開始、仕事を安全にスムーズに進められるのです。

給料、働く環境をチェック

とび職の給料は、固定給ではなく日給月給制がとられていることがほとんど。そんなとび工の平均年収は38.5歳で約421万円(※1)、平均日給は11,782円(※2)となっています。

経験を積んで一人前のとび職として活躍し、さらに「職長」とよばれるポジションで現場を任されるようになれば、給料アップも可能です。

ここで、とび職人としてのステップアップに欠かせない資格をいくつかご紹介します。

1.玉掛け

とびの仕事に必要不可欠な資格。クレーン等で荷を吊る、荷を外すという一連の作業に必要な資格です。玉掛けの資格を取るためには1トン以上のクレーン等を使った技能講習を修了する必要があります。

2. 足場の組立て等作業主任者

玉掛けの次に取得する資格。取得するには足場作業の経験が3年以上必要です。

3. 建築物等の鉄骨組立て等作業主任者

取得するには鉄骨に関する作業の、3年以上の経験が必要です。

他にも、技能を1〜3級の等級で評価する「とび技能士」という国家検定もあります。危険な作業が伴う仕事だからこそ、資格を取得して安全に作業することが必要不可欠なのです。

(※1)厚生労働省の平成29年賃金構造基本統計調査より
(※2)集計期間2020年9月〜2021年3月<マイナビバイト調べ>

とび職人になるには?将来は独立も?

とび職人を目指すのに必要な資格や学歴などはありません。最初は見習いの作業員として現場で先輩に教わりながら仕事を覚えられるので、未経験者でも安心です。

また、とび職は経験と技術が求められる専門性の高い職業。世の中にはAIなど新技術の開発によって将来的になくなると予想されている職業もあるなか、機械に取って代わられることのない将来性の明るい仕事です。

職人としての経験年数を積み、厚生労働省が認定する「とび1級技能士」の資格を取得するなど必要な条件をクリアすれば、将来は独立開業し、親方として活躍する道も開けます。

とび職が向いている人

とび職はとにかく体が資本になる仕事です。力仕事が中心となるハードな業務が多いので、スポーツなどで鍛えた筋力や体力に自信がある人にはぴったりの仕事といえるでしょう。

また、とびの仕事には1人で行う作業はほとんどなく、ペアやチームとして数人単位で働きます。危険と隣り合わせの作業を安全に行うためにも、チームワークや協調性を大事にできる人が求められます。

とび職は、現場の安全と工事の成功を根本から支える責任のある仕事。建設現場には欠かせない存在です。

 

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